「新フォーチュン・クエストⅡ」最終巻、トラップについて考えたこと

 

子どものころから愛読してきた「フォーチュン・クエスト」シリーズが、ついに完結の時を迎えた。

感無量すぎて、全体の感想はまとまっていないため、また改めて、落ち着いた頃に書くとする。

 

一旦、クソデカ感情がすぎて消化できなかった部分について、書き殴らせてほしい。トラップのことです。いわゆるトラパスの件です。

すべて、私なりの解釈です。

 

そして、最終巻のネタバレを含むため、まだ読んでいない・ネタバレを回避したい方は、この先に進まず、画面を閉じていただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、

いやまじでおめぇよく頑張ったな!!!!!できるじゃん!!!!!!!!

今までパステルに散々ちょっかい出したり、ギアに対してあからさまに嫉妬したり、だいぶ精神年齢低いことしてきたトラップにしてはすごい進歩だと思う。パステルに「あなたを守る」って意味を持ったペンダントをあげて、無言で抱きしめたくだりはほんと、「えっ!?!?!?!?」ってなりましたよ。ほんとびっくり。いいわぁ!!!(突然のスグリ

 

さて、真面目に書く。トラップがパステルへ恋心を抱き始めたのはいつだったか、それはわからない。ただ、彼がそれを自覚したのは、私はやっぱり、ギアの出てきたところだと思う。ほんと、想像でしかないけれど。

 

FQシリーズはパステルの目線で書かれるから、パステルの気づかないことは書かれないわけで。だから、読者としても、まぁトラップはパステルのこと好きなんだと推測できるけど、「このトラップの行動もそういうこと???」って、はてなマークだらけになるわけです。だってパステル気づかないんだもん。ただの、トラップとパステルがくっつけばいいなって思う読者の曲解?って思った時もあった。でも最終巻、トラップから明らかな発言はなかったものの、すべての答えを与えられた感じがします。先生、ありがとうございました。全巻読み返して答え合わせしたくなってしまった。

 

パステルはルーミィを守り、ルーミィのママを見つけるということに使命感を持っていた。トラップはそれをわかっていたから、自分の気持ちをパステルに伝えるのかどうするのかは、ルーミィの件が落ち着いてから考える、と思っていたんじゃないかなと想像します。髪を長いままにしていたのは、きっとそういうこと。彼は今まで、結構いろんなことを考えてきたはず。

いま振り返ると、新FQ第11巻、ドーマに発つ前の晩シルバーリーブで雑魚寝していたシーンでの彼は、そういったことを考えていたように思えてくる。

つまりこれが、ゼンばあさんの言うところの「時が満ちなければ解決しない」の意味なのではないでしょうか。

 

2人の関係性は、結局最終巻に至るまで、目に見える進展は見られなかった。トラップ、誰かに相談できなかったんかい、って思うけど、まぁ、無理だろうな。自分の中にしまいこんでしまうタイプだろうから。それに、相談したところでどうにもならないことを、よくわかっていただろうから。

 

ルーミィが無事ママの元に帰り、パーティは解散することとなる。そしてパステルは、お祖母様と仲直りする決意をする。

みんなが離れ離れになる前、冒頭の件があったわけで。今まで度々トラップはパステルを守ってきたけれど、これからはそうはできないから、「あなたを守る」という意味の込められたペンダントを渡した。無事に、穏やかに過ごせるようにと。(あと変な男避けか)

このときトラップは、本当はパステルに、自分の気持ちを伝えたかったんじゃないかな。でも、パステルは新たな環境で生活する決意を固めているから、今じゃない、って思った。だから、言えなかった。口が達者なトラップが、無言で抱きしめるしかなかったんだから。それがもう、答えだよね。ずっと一緒にいたかったんだろうな。そして、パステルのこと、本当に愛してるんだろうな。

 

パステルはお祖母様の元に、トラップはクレイと共に故郷に戻って休養する。各々が各々の時間を過ごして気持ちの整理をする半年は、彼らにとって、必要な期間だったんじゃないでしょうか。

パーティ解散から半年後、今まで姿を見せず手紙も出してこなかったトラップが、髪を切って、パステルの元にやってくるというシーンで、FQシリーズは終わる。「時が満ちた」ってことなんだろうな、って解釈した。

 

パーティの仲間たちのことを、パステルは大切な「仲間」そして「家族」、それ以上にもそれ以下にも思っていなかったはず。パーティの仲間である以上、パステルからトラップに特別な感情が向くことって、やっぱり難しかったりしたんじゃないかな。だから、これからだぞ。頑張れよトラップ!